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GL睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020
治療のポイント
・SASの発症関連要因は肥満,加齢,男性であり,肥満者は減量が重要である.
・基準を満たした中等症以上のSASの治療の第1選択は持続気道陽圧法(CPAP:continuous positive airway pressure)である.
・基準を満たさないSASやCPAPの忍容性がない場合は,口腔内装置(OA:oral appliance)治療が適応である.
・CPAPもOAも,治療効果の確認とアドヒアランスの維持,継続治療が重要である.
◆病態と診断
A病態
・睡眠関連呼吸障害のなかで最も患者数が多いのがSASである.上気道が閉塞し,いびきを伴うのが閉塞性睡眠時無呼吸(OSA:obstructive sleep apnea)であり,呼吸努力を伴わないのが中枢性睡眠時無呼吸(CSA:central sleep apnea)である.脳血管疾患や心不全患者に認めるチェーンストークス呼吸(CSB:Cheyne-Stokes breathing)はCSAの一種である.OSAには,解剖学的上気道の狭小化,上気道開大筋の反応性,呼吸の不安定性,覚醒閾値の4つの因子がかかわっている.
B診断
・いびき,日中の過度の眠気,睡眠中の窒息感,あえぎ呼吸,不眠,他者からの無呼吸の指摘などがあればSASを疑う.問診票は診断の補助にはなるが確定診断には使えない.
・OSAやCSAの確定診断には監視下の終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG:polysomnography)が標準検査である.
・簡易モニターは併存疾患がなく,中等症から重症のOSAが疑われる場合にPSG検査の代替になる.無呼吸低呼吸指数(AHI:apnea hypopnea index)が5回/時以上で軽症,15回/時以上で中等症,30回/時以上で重症と判断する.また,閉塞性イベン