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GL禁煙治療のための標準手順書 第8.1版
ニュートピックス
・2022年4月から,かかりつけ患者には初診からオンライン診療が可能となった.
治療のポイント
・ニコチン依存,精神的依存・習慣の両者への対応が必要である.
・禁煙補助薬を使用することで成功率は格段に上がるが,カウンセリングなど精神的アプローチも必要となる.
・喫煙衝動が出た際の対処法を相談・検討しておく.
◆病態と診断
A病態
・習慣的喫煙行為は単なるニコチン依存症ではなく,精神的依存・習慣も関与するため,最近は「ニコチン依存症」ではなく,依存と乱用を包括した「使用症」という用語で「タバコ(ニコチン)使用症」と表現される.
・患者の多くが「禁煙したい.でも喫煙したい.」という両方に価値を感じている「両価性」の状態にある.
・禁煙したくてもできない状況であることを理解する.
B診断
・タバコ依存度テスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上が,タバコ(ニコチン)使用症の診断目安となり,禁煙治療の保険適用にも用いられる.
・保険適用基準は,①TDSが5点以上,②35歳以上の場合には喫煙指数(1日喫煙本数×喫煙年数)が200以上であることに加え,③同意書(禁煙宣言書)へのサイン,④直ちに禁煙を考えていること,以上4項目が必要条件となる.
◆治療方針
禁煙治療の目的は,多くの喫煙関連疾患の発症を予防して,患者の生命予後や健康寿命を延伸することにある.禁煙治療の保険適用基準を満たさない場合も,自費診療を検討するなど柔軟な対応が必要となる.
禁煙治療を保険で行うためには,あらかじめニコチン依存症管理施設の認定申請が必要で,呼気中一酸化炭素濃度測定器を購入しておく必要がある.
禁煙外来は年1回(初回診察算定日から起算),連続して3か月間が保険適用で,基本的には初診(0週),2週,4週,8週,12週の5回