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GL高血圧治療ガイドライン2019
ニュートピックス
・生活習慣病としては初めて高血圧診療補助アプリが保険収載された.生活習慣の修正などに対してスマートフォンのアプリを通じて指導をするものであり,今後の生活習慣病管理の1つの方向性を示したものといえる.
治療のポイント
・降圧療法の基本は生活習慣の修正である.
・ガイドラインの降圧目標を遵守した厳格な降圧が重要である.
・病態に応じた降圧薬の選択が重要である.
・治療抵抗性高血圧(降圧利尿薬を含む3剤使用で降圧目標を達成できない)は専門医へのコンサルトを考える.
◆病態と診断
・本態性高血圧とは診察室血圧140/90mmHg(家庭血圧135/85mmHg)以上の血圧を示し,二次性高血圧〔腎実質性や内分泌性(原発性アルドステロン症,クッシング症候群,褐色細胞腫など)〕を否定された者.
・家庭血圧と診察室血圧に乖離がある場合には家庭血圧を優先する.
・家庭血圧測定では1分間の安静後に上腕測定血圧計の使用が推奨されている.
・血圧は1週間(最低5日)の平均(1機会2回の平均を使用)で判定する.
・仮面高血圧(家庭血圧>診察室血圧)や夜間高血圧(120/70mmHg以上)は高リスクなので,必要に応じて24時間自由行動下血圧で評価をする.
・体液貯留(拡張期高血圧・脈圧低下・夜間高血圧・早朝高血圧など)や血管抵抗増大(動揺性高血圧・脈圧上昇・収縮期高血圧など)によって血圧上昇をきたす.
・蛋白尿の有無で第1選択薬が異なるため,高血圧診療時に尿検査実施が強く推奨される.
・治療抵抗性高血圧は,利尿薬を含む3剤の降圧薬を用いても降圧目標に達しないものと定義される.
◆治療方針
A重症度
重症度は血圧の高さと生活習慣病あるいは生活習慣で表されるリスク層(表1図)によって低・中等・高の3段階に分けられる.この重症度は治療開始のスピードに反映される.