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GL高血圧治療ガイドライン2019
ニュートピックス
・白衣高血圧の診療にカフレス血圧モニタリングを用いるのは注意を要する.
治療のポイント
・家庭血圧測定に基づく高血圧診療がより重要視されている.
・家庭血圧は生活習慣・環境の影響を大きく受けることから,白衣高血圧の診断・治療には継続した家庭血圧モニタリングが重要である.
・すべての高血圧患者には家庭血圧を指針とした降圧治療が推奨され,白衣高血圧と持続性高血圧の診断をつける.
・家庭血圧が125/75mmHg以上の白衣高血圧患者には生活習慣の改善を指導し,家庭血圧モニタリングを継続する.
・白衣高血圧と診断後,家庭血圧が135/85mmHg以上となった時点で,家庭血圧125/75mmHg未満を目標に薬物治療を行う.
・著しい血圧変動や,臓器障害,心不全ならびに動脈硬化性循環器疾患の既往を有するハイリスク群では,24時間自由行動下血圧測定(ABPM:ambulatory blood pressure monitoring)を用いてすべての時間帯で血圧が上昇していないかを確認したのちに白衣高血圧と診断することが望ましい.
◆病態と診断
・白衣高血圧は,診察室血圧が高血圧(診察室血圧≧140/90mmHg)であっても,診察室外血圧がすべて基準閾値未満(家庭血圧や昼間ABPM血圧<135/85mmHg;24時間ABPM血圧<130/80mmHg;夜間ABPM血圧<120/70mmHg)を示す状態である.
・診察室血圧が高血圧(診察室血圧≧140/90mmHg)で,家庭血圧が125~134/75~84mmHgは高値血圧である.
◆治療方針
白衣高血圧の診療は,家庭血圧を指針とし,診察室血圧は参考にとどめる.
白衣高血圧の治療方針は経過観察を行い,将来の高血圧(家庭血圧やABPMで診断)と糖尿病の新規発生と,蛋白尿や心肥大など臓器障害の進展に