診療支援
治療

二次性高血圧症
secondary hypertension
甲斐久史
(久留米大学医療センター教授・循環器内科)

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GL高血圧治療ガイドライン2019

治療のポイント

・二次性高血圧症は特定の原因によって発症した高血圧である.若年発症,急激な発症・増悪,治療抵抗性の高血圧で疑う.

・従来考えられていたよりも頻度は低くないため,常に念頭におきながら診療にあたる.

Ⅰ.睡眠時無呼吸症候群(SAS:sleep apnea syndrome)

◆病態と診断

・最も多い二次性高血圧症であり,無呼吸低呼吸による低酸素血症が交感神経系やレニン・アンジオテンシン(RA)系を亢進し急激に血圧を上昇させる.夜間高血圧のみならず,交感神経活性亢進の持ち越しにより早朝高血圧や日中の高血圧もきたす.降圧薬治療に抵抗性である.

・肥満や小顎による閉塞性SAS(OSA:obstructive sleep apnea)が多い.

・しばしば血中アルドステロン高値を伴う.

・病態と診断については「睡眠時無呼吸症候群」の項()を参照.

◆治療方針

 中等症以上OSAには持続陽圧呼吸(CPAP:continuous positive airway pressure)を導入する.

Px処方例 CPAP導入し,1)~4)を単独または併用で用いる.

1)エサキセレノン(ミネブロ)錠(1.25・2.5・5mg) 1回1錠 1日1回

2)アジルサルタン(アジルバ)錠(20・40mg) 1回1錠 1日1回

3)アムロジピン(ノルバスクまたはアムロジン)錠(2.5・5・10mg) 1回1錠 1日1回

4)インダパミド(ナトリックス)錠(1mg) 1回0.5~1錠 1日1回

Ⅱ.腎実質性高血圧症

 従来,最も多い二次性高血圧とされていた.糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎など腎実質性疾患の腎機能低下とともに生じる.

 個々の病態と診断については「第9章 腎疾患」の章,降圧治療は「本態性高血圧症」()の項を参照.

Ⅲ.腎血管性高血圧症

◆病態と診断

・腎動脈とその

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