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GL冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン(2013年改訂版)
GL2023年JCS/CVIT/JCCガイドラインフォーカスアップデート版 冠攣縮性狭心症と冠微小循環障害の診断と治療
ニュートピックス
・閉塞血管のない虚血性心疾患であるINOCA(ischemia and no obstructive coronary artery disease)の原因として冠攣縮が注目されている.
治療のポイント
・治療の基本は「危険因子の是正」と「薬物治療」である.
・胸部症状の緩解増悪を患者と共有し,薬物治療を強化すべき時機を逸しないよう留意する.
・有酸素運動が,血管内皮機能,酸化ストレスや炎症の改善作用を介して発作を抑制する.
◆病態と診断
A病態
・心外膜冠動脈が一過性に異常に収縮した状態が冠攣縮であり,異型狭心症や安静狭心症,労作性狭心症,急性心筋梗塞や心室細動など幅広い病態スペクトラムをもつ.
・アルコール・フラッシング症候群では,遺伝的な2型アルデヒド脱水素酵素(aldehyde dehydrogenase 2)ALDH2の欠損が疑われ,少量のアルコールでも冠攣縮発作が生じる可能性がある.
B診断
・日本循環器学会ガイドラインの冠攣縮性狭心症の診断基準を示す(図).下記のいずれかの条件と要件を満たす例を冠攣縮性狭心症「確定・疑い」と定義し,これらに該当しない例は冠攣縮性狭心症「否定的」と定義する.
・条件:以下の①~③のいずれか.①自然発作.②冠攣縮非薬物誘発試験(過換気負荷試験,運動負荷試験など).③冠攣縮薬物誘発試験(アセチルコリン,エルゴノビンなど).
・冠攣縮性狭心症確定要件:発作時の心電図所見上,明らかな虚血性変化が認められた場合.その心電図所見が境界域の場合は,病歴,発作時の症状に加え,明らかな心筋虚血所見もしくは冠攣縮陽性所見が諸検査によって認められた場合とす
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