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GL2022年JCSガイドライン フォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療
GL慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)
治療のポイント
・心機能の評価は予後予測や治療方針の決定に重要である.
・梗塞領域の心筋バイアビリティの評価は,予後予測や責任病変に対する侵襲的治療の適応判定に重要である.
◆病態と診断
A病態
・陳旧性心筋梗塞とは,急性心筋梗塞の発症から1か月以上が経過したものを指す.
・陳旧性心筋梗塞の成因は,動脈硬化性病変の破綻に伴う冠動脈内血栓が多いが,そのほかに冠攣縮性狭心症や特発性冠動脈解離,血栓塞栓症などがある.
・急性心筋梗塞発症1年以内の場合,心筋梗塞の再発や脳梗塞などを含む動脈硬化性心血管イベントの発生リスクが高い.
・梗塞サイズが大きいものでは,梗塞領域の壁運動低下,非梗塞領域の左室心筋肥大,壁運動低下などの左室リモデリングを生じる.
・陳旧性心筋梗塞に労作性狭心症を合併する場合,治療効果の評価には自覚症状の確認が重要である.一方,無症候性心筋虚血である場合も少なくない.陳旧性心筋梗塞の無症候性心筋虚血における致死的心筋梗塞発症率,心不全発症率,全死亡率は症候性心筋虚血と同等であり,その治療評価は重要である.
B診断
・第一に,自覚症状の確認が重要である.
・心電図で異常Q波,R波の減高,T波の陰転を認める.
・心エコーで冠動脈の支配領域に一致した左室壁運動の低下,心筋の線維化による壁菲薄化,エコー輝度の上昇を認める.また,ドブタミン負荷心エコー法による心筋バイアビリティの診断精度は,感度74~87%,特異度73~86%と報告されている.
・心臓核医学検査(心筋血流SPECT),心臓MRIは梗塞サイズの推定や心筋バイアビリティ評価に有用である.
・心臓CTでは冠動脈にプラークや狭窄・閉塞病変,留置ステントを認める.胸部単純CTでも冠動脈の石灰化や
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