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治療のポイント
・上室性・心室性によってその扱い方や治療法は異なるが,基本的には自覚症状が乏しくて本人が困っていない場合には治療介入しないことが原則となる.
・器質的心疾患の除外および心機能評価のために,心エコー検査を行うことが望ましい.
・上室性期外収縮では心房細動との関係性,心室性期外収縮では心室頻拍との関連性や器質的心疾患のチェックなどの探索が重要である.
・健診でみつかった無症状の期外収縮に対して,不必要な治療介入が多いことが指摘されている.
◆病態と診断
A病態
・基本調律に混入して,早いタイミングで出現する異所性興奮を期外収縮とよぶ.「脈がつまずく感じ」と表現する患者が比較的多い.
・発生部位により上室性(心房)期外収縮,心室期外収縮に分類される.
・発生機序は,一般的な不整脈の発生原因3種(リエントリー,異常自動能,トリガードアクティビティ)などのメカニズムも原因となり得る.
B診断
・診断の基本は「心電図」で期外収縮の波形が記録されることに尽きる.「心電図」のなかには12誘導心電図,24時間ホルター心電図,さらに近年では携帯型心電計(胸部接触型やスマートウォッチなど)が含まれる.無症状で健診心電図にて診断される方や,症状があるためにホルターや携帯心電計を用いて記録して診断に至る方など,さまざまである.
・期外収縮が上室性か心室性かは,通常は心電図のQRS波形の幅が狭いか広いかで判断できるが,変行伝導や脚ブロックなどを伴う場合には上室性であってもQRSの幅が広くなるために判断が難しいことも少なくない.
・房室ブロックを伴う上室性期外収縮の場合には,P波だけが基本調律よりも早いタイミングで出現してQRS波が欠如するため,期外収縮と診断することは容易ではない.このような場合には高度の徐脈を呈するために,洞不全症候群との鑑別を要することもある.
・心室期外収縮で最も頻度が高いのは
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