頻度 よくみる(心電図検診の5%程度に観察され,2度,あるいは3度房室ブロックの頻度は1%未満とされる)
GL不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)
GL2020年改訂版不整脈薬物治療ガイドライン
GL2021年JCS/JHRSガイドラインフォーカスアップデート版不整脈非薬物治療
ニュートピックス
・心機能が中等度に低下した房室ブロック症例(左室駆出率36~50%)でペースメーカ植込みが必要な(心室ペーシングに依存すると考えられる)症例に対して,2022年に心臓再同期療法の適応が認められた(一部の製品のみ).また,房室伝導がブロックされている遠位部を標的とした刺激伝導系ペーシングの効果も示されつつある.
治療のポイント
・急性の原因(急性心筋梗塞,心筋炎など)を検索する(「病態と診断」A病態参照).原因の除去で房室伝導が回復することもある.
・慢性の原因,あるいは原因が不明で,徐脈による症状を伴う場合は原則としてペースメーカ治療が必要となる.心静止(心停止)による失神を伴う場合は,緊急的に1次的経静脈ペーシング(右室ペーシング)を行い,可及的すみやかに恒久型ペースメーカの植込み手術を施行する.
◆病態と診断
A病態
・房室ブロックは房室伝導が障害された状態全般を指し,1度から3度までに分類される.
・ほとんどは後天的な原因によって発症する.多くは加齢による刺激伝導系の変性に起因し,心機能は保たれる.
・上記以外に原因となる疾患には急性心筋梗塞,冠攣縮性狭心症,重症心筋炎,抗不整脈薬,高K血症,心サルコイドーシス,特殊な心筋症(ラミン:LMNA遺伝子変異)などがある.
・基礎心疾患を除外するために,心エコー図が有用である.
・急性の可逆的原因であれば,房室伝導の回復が期待される.
B診断
・原則として心電図上の洞性PとQRSとの数的,時間的関係によって診断される.
・例外を除いて「房室ブロック」との臨
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