頻度 よくみる
治療のポイント
・背景疾患の有無を鑑別するとともに,禁煙,寒冷刺激やストレスの回避など,生活環境の改善を試みる.
・保存的治療で改善を認めない場合には,薬物療法を実施する.
・薬物療法に抵抗性で,指趾の疼痛や潰瘍・壊死による組織障害を生じ,生活の質の著しい低下を認める場合には手術療法を考慮するが,長期的な有効性に関するエビデンスはない.
◆病態と診断
・指趾の細動脈の血管れん縮が寒冷刺激・喫煙などで誘発されることで血流障害を生じ,皮膚の色調変化(蒼白,チアノーゼ)や冷感・しびれ・疼痛を生じる.
・背景に器質的病変を認めない1次性レイノー現象(レイノー病)と,全身性エリテマトーデスや強皮症などの膠原病による血管炎,末梢神経障害,末梢動脈疾患などの背景疾患を合併している2次性レイノー現象(レイノー症候群)に分けられ,頻度は1次性のほうが高く,2次性では原疾患の正しい診断が重要となる.
・四肢の