頻度 よくみる(APTEとDVT)
頻度ときどきみる(CTEPD)
GL肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017年改訂版)
ニュートピックス
・急性肺血栓塞栓症(APTE)の既往があり,残存または新規の息切れ症状のある場合は慢性肺血栓塞栓性肺疾患(CTEPD)の診断評価を行うことが,2022 ESC/ERS Guidelines for the diagnosis and treatment of pulmonary hypertension〔欧州肺高血圧症ガイドライン2022年版〕で推奨クラスⅠとなった.
治療のポイント
・APTEでは,血行動態や臨床リスク評価に応じてリスク分類を行い,リスクごとの治療を行う.
・APTE・深部静脈血栓症(DVT)の治療の基本は抗凝固療法であり,診断がつき次第,すみやかに開始する.
・重症例・高リスク群のAPTEに対しては,経皮的心肺補助装置(PCPS)装着や,血栓溶解療法,カテーテル治療,外科的治療が必要となる.
・CTEPDに対しては,抗凝固療法に加えて,肺血管拡張薬,バルーン肺動脈形成術(BPA),外科的治療の適応を検討するため,経験豊富な専門施設へ紹介する.
◆病態と診断
A病態
・肺血栓塞栓症は,急性肺血栓塞栓症(APTE:acute pulmonary thromboembolism)と慢性肺血栓塞栓性肺疾患(CTEPD:chronic thromboembolic pulmonary disease)に分けられる.
・APTEは下肢あるいは骨盤内の静脈で形成された深部静脈血栓症(DVT)が塞栓源となることがほとんどであり,遊離した血栓が肺動脈に流入することで肺循環障害を呈する.
・「欧州肺高血圧症ガイドライン2022年版」で,慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH:chronic thromboembolic p
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