GL心疾患患者の妊娠・出産の適応,管理に関するガイドライン(2018年改訂版)
ポイント
・医療の進歩により,妊娠可能な年齢の心疾患を有する女性の数が増加した.
・心疾患患者が妊娠を希望する場合は,心血管リスクを事前に評価し妊娠の適否を見極め,計画的に管理することが必要である.
A適応
1.妊娠が及ぼす影響
循環動態が妊娠時期に応じてさまざまな程度に変化する.非妊娠時は病態が安定していた心疾患患者であっても,安全に経過しない可能性がある.また,血栓・塞栓症リスクの増加,横隔膜挙上による呼吸様式の変化,血管壁の脆弱化という妊娠時の生理的変化が心血管イベントを惹起する可能性がある.
妊娠中の心疾患治療薬の安全性は多くが確認されていない.
2.出産が及ぼす影響
陣痛時の交感神経活性亢進や子宮収縮で,短時間に循環動態が変化する.児娩出後も,循環動態が正常化するまでに4~6週間かかる.
3.母体心血管リスク評価