頻度 ときどきみる
治療のポイント
・ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染胃炎の鑑別を行ったうえで,その他の胃炎の診断を行う.
・根本治療は難しい場合が多く,対症的な治療が多い.
・自己免疫性胃炎は神経内分泌腫瘍や胃癌の発症リスクとなることが知られており,サーベイランスが必要であるが,現時点では明確な基準はなく,今後の課題である.
◆病態と診断
A病態
・本邦の慢性胃炎のほとんどはH. pylori感染胃炎であったが,1990年代以降,保菌率は大きく低下しており,その他の慢性胃炎の相対的な増加が予想されている.その大半を薬剤性胃炎(薬剤性消化管障害)と自己免疫性胃炎が占めており,ついで,好酸球性胃腸炎,collagenous gastritis,H. pylori以外のHelicobacter属の感染,結核・梅毒・サイトメガロウイルスなどによる慢性胃炎,PPI関連胃症,な