Ⅰ.胃ポリープ
頻度 よくみる
治療のポイント
・癌合併の可能性や症状(貧血,通過障害)に応じて治療を考慮する.
・PPI投与で増大・増加する場合は,可能であればPPIを中断し経過観察を行う.
◆病態と診断
・胃ポリープは,胃に発生する上皮性,良性,隆起性病変を指し,大多数は過形成性ポリープと胃底腺ポリープである.
・通常は特徴的な内視鏡像で診断されるが,悪性腫瘍が疑われるときは生検診断が必要である.
A胃過形成性ポリープ
・Helicobacter pylori(H. pylori)感染による慢性胃炎を背景に発生し,発赤調,境界明瞭な隆起で,癌化率は1~2%とされる.
・PPIによる2次的高ガストリン血症により過形成性ポリープが増大するとの報告がある.
B胃底腺ポリープ
・H. pylori未感染の萎縮のない胃に多発しやすく,同色調,表面平滑,境界明瞭な隆起で,癌化はほぼない.
・PPIの長期投与で,ポリープ内の