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治療のポイント
・治療は,脱水や電解質異常などに対する補液や腸管安静のための絶食など,腸炎に対する全身管理が基本である.
・保存的治療と同時に,発症様式・食事歴・海外渡航歴・被疑薬(お薬手帳)などから,感染性腸炎(→,「感染性胃腸炎」の項参照)と薬剤性腸炎(被疑薬)の鑑別診断を進める.
・薬剤性腸炎では被疑薬の中止または変更が基本であるため,治療中の疾患の診療情報が必要な場合がある.
◆病態と診断
A病態(薬剤性腸炎)
・薬剤の投与により下痢,下血,腹痛などの臨床症状が惹起され,腸管に炎症性変化を生じるものである.
・抗菌薬投与後に起こる偽膜性腸炎と出血性腸炎が比較的高頻度であるが,NSAIDs起因性腸病変,PPIやARBなどによる microscopic colitis,5-FUやイリノテカンなどによる抗癌剤起因性腸炎,αグルコシダーゼ阻害薬(ボグリボースなど)による腸管気腫症,漢方薬に