頻度 よくみる
GLNAFLD/NASH診療ガイドライン2020改訂第2版
ニュートピックス
・2023年6月,日本肝臓学会より,肝疾患の早期発見・早期治療のため「奈良宣言2023」が発表された.同宣言では,一般市民に対してALTが30単位/L超であればかかりつけ医の受診を求め,かかりつけ医に対しては患者が受診したら精査し,必要に応じて消化器専門医に紹介することが推奨されている.脂肪肝,もしくは肥満・メタボリック症候群を合併している場合は,血小板20万/μL未満あるいはFIB-4 index 1.3以上で肝線維化進展NAFLDの疑いがあるため,専門医への紹介を検討する(図).
治療のポイント
・食事療法や運動療法などによる生活習慣の改善を第一とし,効果不十分な場合は基礎疾患の有無に応じて薬物療法を考慮する.
・NAFLDの予後に最も影響する因子は肝線維化の程度であり,肝線維化進展例では胃食道静脈瘤や肝細胞癌のスクリーニングを行う.
・NAFLDでは心血管イベントや肝臓以外の多臓器癌リスクが増加することにも留意する.
・2023年6月,米国肝臓病学会(AASLD),欧州肝臓学会(EASL)など世界のliver societyのエキスパートにより,疾患名や疾患定義について議論が行われ,従来のNAFLDはmetabolic dysfunction-associated steatotic liver disease(MASLD)という名称に変更されることが決定された.ただし執筆時点においてまだMASLDという概念が浸透していないこと,またMASLDに関するエビデンスがないことから,本項では従来のNAFLDに基づいて記載する.
◆病態と診断
A病態
・NAFLDの主体はメタボリック症候群の肝臓における表現型であり,肥満,耐糖能異常,脂質異常症,高血圧などと密接な関連がある.
・肥満やインスリン抵抗性を基盤
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/ピオグリタゾン塩酸塩《アクトス》
- 治療薬マニュアル2024/セマグルチド(遺伝子組換え)《オゼンピック》
- 治療薬マニュアル2024/リラグルチド(遺伝子組換え)《ビクトーザ》
- 治療薬マニュアル2024/トホグリフロジン水和物《デベルザ》
- 治療薬マニュアル2024/ルセオグリフロジン水和物《ルセフィ》
- 治療薬マニュアル2024/カナグリフロジン水和物《カナグル》
- 治療薬マニュアル2024/ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物《フォシーガ》
- 治療薬マニュアル2024/アトルバスタチンカルシウム水和物《リピトール》
- 治療薬マニュアル2024/ロスバスタチンカルシウム《クレストール》
- 治療薬マニュアル2024/テルミサルタン《ミカルディス》
- 治療薬マニュアル2024/オルメサルタン メドキソミル《オルメテック》
- 治療薬マニュアル2024/トコフェロール酢酸エステル《ユベラ》