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GLエビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン 改訂第3版(2019)
ニュートピックス
・治癒切除不能な胆道癌に対して,免疫チェックポイント阻害薬であるデュルバルマブ(イミフィンジ)をゲムシタビン+シスプラチン併用療法に加えて使用することが可能となり,1次薬物治療の選択肢が増えた.
治療のポイント
・閉塞性黄疸や胆道系酵素の上昇などで発見されることが多い.
・治療の第1選択は外科切除である.
・外科切除可能かどうかの判断には専門(胆道)外科医の判断が重要である.
・外科切除の適応には施設間差があることに注意を要する.
・切除不能例に対しては薬物療法が基本である.
・胆管炎を起こすことが少なくなく,その適切な管理がQOL維持に重要である.
◆病態と診断
A病態
・胆道腫瘍は肝門部領域胆管,遠位胆管,胆嚢,十二指腸乳頭部に発生する腫瘍の総称である.
・胆道腫瘍は悪性病変(癌)がほとんどである.
・危険因子として判明しているものは,膵・胆管合流異常,原発性硬化性胆管炎などのみであり,早期に発見・診断されることはまれである.
・黄疸,腹痛,体重減少などが主な症状であるが,偶然に発見されることも少なくない.
B診断
・胆道腫瘍に特異的な症状はないが,右上腹部痛,黄疸などは胆道腫瘍を疑う徴候である.
・血液検査による胆道系酵素の上昇や閉塞性黄疸と判断されたら胆道腫瘍を疑う.
・腹部超音波検査で胆嚢壁の肥厚,胆嚢腫瘤,ポリープなどが観察された場合は胆嚢腫瘍を疑う.
・上部消化管内視鏡検査で十二指腸乳頭部の異常が観察されることがある.
・胆道腫瘍が疑われたら血液検査,腹部超音波検査,ダイナミックCT検査を行うことで,腫瘍の局在や進展度を把握する.
・詳細な質的診断,進展度診断は,日本肝胆膵外科学会の「エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン 改訂第3版」を参照されたい.
◆治療方針
黄疸を伴う症例では各治療前に胆