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GLAKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016
GL腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2018
GLがん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン 2022
ニュートピックス
・尿細管障害マーカーである尿中NGALが保険適用となり,AKIの早期診断ツールとして有用な可能性がある.
・分子標的治療薬(VEGF抗体やVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬)や免疫チェックポイント阻害薬によるAKIが報告されている.AKI発症例の多くは蛋白尿や電解質異常が生じるため,上記薬剤投与後には,これらをモニタリングすることが推奨される.
治療のポイント
・急性腎障害(AKI)の治療は,原因を可能な限り早急に検索し,適切に除去する.
・AKIの原因として腎前性・腎性・腎後性の鑑別を行い,体液喪失性腎前性AKIであれば輸液,血圧低下があれば昇圧薬,心機能低下に対して強心薬を使用することで血行動態を安定させる.腎後性であれば,閉塞機転解除のために泌尿器科的処置を行う.
・腎性AKIに特化した予防法や薬物治療は,現在のところ存在しない.
・薬剤性AKIを疑う場合には,被疑薬を減量・中止するか否かの判断が早急に必要となる.
・侵襲が大きい手術,造影剤・腎毒性薬剤の使用(抗悪性腫瘍薬や抗菌薬など)の前に体液評価を行い,補液にて脱水を解除する.
◆病態と診断
A疾患概念・診断
・急性腎障害(AKI)はさまざまな病態を背景として急激な腎機能低下を呈する,幅広い疾患スペクトラムを包含した疾患概念である.急激な腎機能低下,尿毒症物質の蓄積,高度な酸塩基平衡異常,電解質異常,体液分布異常,貧血などを呈する.
・2012年にKDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)がAKI診療ガイドラインを発表し,AKIは「血清Cr値の48時間以内で0.3mg/dL以上の上昇」,「