A骨髄検査の適応
骨髄は造血を行っている組織であるが,成長とともに造血能は変化し,20歳を過ぎると長管骨ではほぼ造血が行われなくなる.一方,扁平骨ではある程度造血が維持されるが,高齢になると,胸骨に比較し腸骨は脂肪髄になりやすく細胞密度が低下する.
骨髄検査は末梢血において血球数の異常や白血球分画異常,特に好中球減少,芽球出現,および異常リンパ球の出現などが認められた場合に適応となる.また,造血器腫瘍の診断および治療効果判定を目的として行われる.血球数に異常がない場合でも,悪性リンパ腫の病期診断や粟粒結核の診断のために骨髄の評価が行われる.
骨髄の検査には骨髄穿刺法と生検法があり,それぞれの特性に応じて検査を行い,場合によっては両方を行うこともある.特に骨髄液の吸引ができない(dry tap)場合は,骨髄線維症も疑われるため,骨髄生検が必須である.また,再生不良性貧血と骨髄異形成症候群の鑑