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ニュートピックス
・近年,使用可能になったクエン酸第二鉄(リオナ)は,嘔気・嘔吐など消化器症状が従来の経口鉄剤より少ないと報告され,長期内服治療への期待が持たれている.
・1回あたりの投与可能鉄量が多い静注鉄剤として,カルボキシマルトース第二鉄(フェインジェクト)に加え,デルイソマルトース第二鉄(モノヴァー)も使用可能となった.
治療のポイント
・小球性貧血と血清鉄低下だけではなく,血清フェリチン値が低値であることまで必ず確認してから鉄剤投与を行う.
・鉄不足に陥った原因を精査し処置をしなければ,真の診断・治療にはならない.
・最も多い原因は出血であるため,消化管内視鏡検査や婦人科的疾患の検索は常に積極的に行わなければならない.
・鉄剤投与は経口投与が基本であるが,必要に応じて静注鉄剤の検討や,栄養学的アプローチを併せて行う.
・鉄剤投与は血清フェリチン値正常化まで継続し,その後も貧血の再発