GL糖尿病診療ガイドライン2019
A効果と意義
運動によって血糖値の改善だけでなく,継続することにより,肥満改善,サルコペニアや骨粗鬆症の予防,高血圧症や脂質異常症の代謝改善,心肺機能の向上,運動能力の向上,日常生活のQOLを高める効果などが期待できる.
急性効果として,食後の運動により骨格筋の糖取り込みが増加し,食後の血糖値上昇が抑制される.慢性効果としては,骨格筋のインスリン抵抗性が改善される.有酸素運動の継続は骨格筋のミトコンドリア生合成を増加させ,最大酸素摂取量の増加によって持久力が向上する.レジスタンス運動の継続は骨格筋量や筋力を増加させる.
B適応と注意
1.2型糖尿病
有酸素運動とレジスタンス運動は単独で行う効果はもちろんのこと,併用することにより,血糖値や心血管疾患の危険因子の改善効果がさらに高まる.
2.1型糖尿病
運動による長期的な血糖値改善効果に一定の見解は得られていないが