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GL糖尿病治療ガイド2022-2023
GL糖尿病診療ガイドライン2019
ニュートピックス
・グルカゴン点鼻粉末剤(バクスミー)が登場し,医療者でない人でも迅速に重症低血糖に対応できる方法が増えた.
治療のポイント
・低血糖は緊急事態であり,すみやかに対応する必要がある.
・糖尿病の薬物療法において,可能な限り低血糖をきたさない糖尿病治療薬の選択が重要である.
・低血糖は心血管イベント発症や死亡のリスクとなる.
◆病態と診断
A病態
・低血糖は血漿グルコース濃度が70mg/dL未満となる病態であり,動悸,発汗,脱力,意識レベルの低下といった症状を引き起こすが,自覚症状のない無自覚性低血糖もある.
・原因として糖尿病治療薬による低血糖が最も多い.その他,入浴,強い運動,飲酒も誘因になる.糖尿病治療薬以外の薬では抗不整脈薬,ニューキノロン系抗菌薬,β遮断薬,ACE阻害薬などがある.チアマゾールなどのSH基を有する薬剤や,αリポ酸,コエンザイムQ10によるインスリン自己免疫症候群もある.
・反応性低血糖,ダンピング症候群,インスリノーマや副腎不全などでも起こる.
B診断
・症状だけで判断せず,血糖測定を行う.SMBG(self-monitoring of blood glucose)に使用する自己検査用グルコース測定器や,医療機関であれば臨床現場即時検査(POCT:point of care testing)機を用いて測定する.
◆治療方針
低血糖の治療には,今現在ある低血糖の解除と,今後の低血糖の回避の2つがある.
A低血糖の解除
Px処方例 下記を常時携帯する.
ブドウ糖薬 1回10g 低血糖時内服
●治療の変更の指標 上記を行い約15分後再検し,血漿グルコース濃度が70mg/dL以上とならない場合には繰り返す.経口摂取が困難な場合には20%グルコース注射液40mL静注,グルカゴン点鼻粉末剤