診療支援
治療

血糖自己測定・持続血糖測定の指導
self-monitoring of blood glucose(SMBG),continuous glucose monitoring(CGM)
的場ゆか
(国立病院機構小倉医療センター・糖尿病・内分泌代謝内科部長(福岡))

ニュートピックス

・2022年度診療報酬改定により,間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM)「FreeStyleリブレ」による血糖自己測定器加算の算定条件が変更となり,インスリン治療を行っているすべての糖尿病患者が保険適用の対象(保険適用区分:C150-7)となった.

・DexCom社製「Dexcom G6」について,2022年12月1日より適応が拡大し,原則としてisCGMと同様の患者を対象として保険適用区分(C150-7)での使用が可能となった.

ポイント

・糖尿病患者を対象とする.血糖値は,食事,運動,心身のストレスなどで常に変動しているが,患者自身が血糖値をモニターし,血糖の日内変動や自らの病態を把握することが自己管理の動機付けとなり,血糖コントロールの改善につながる.

・医療者にとっても,HbA1cの値では知り得ない低血糖や高血糖を含む血糖変動が観察でき,インスリン調整や治療の効果判定に役立つ.

A血糖自己測定

1.概要

 血糖自己測定(SMBG:self-monitoring of blood glucose)は,患者が日常的に自身の血糖値を簡易的に測定し,管理するためのツールである.医療者が指導し,診療に役立てることを前提に保険適用となっており,2型糖尿病のインスリンやGLP-1受容体作動薬使用患者では月60回まで,1型糖尿病ないし膵全摘後のインスリン使用患者,12歳未満の小児低血糖症,妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠では月120回まで算定できる.SMBGの測定機器は,国際標準化機構(ISO)によって定められた規格に準拠し,血漿採血の血糖値と比較して測定値の95%が±15%以内に入る精度が担保されたものが推奨されている.

2.測定の実際

 事前に手洗いなどの衛生管理を行う.穿刺器具に針をセットし,指腹を穿刺して少量の血液を採取し,測定器に取り付けたセンサーを用いて血糖値を測定する.針

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