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ＧＬ男性の性腺機能低下症ガイドライン2022

ＧＬLOH症候群（加齢男性・性腺機能低下症）診療の手引き（2022）

治療のポイント

・成因や発症時期，症状の重症度により多彩な症状を呈する．そのためそれぞれの病態にあった治療が必要となる．

・LOH（late-onset hypogonadism）症候群は，加齢による男性ホルモンの低下とそれに起因する種々の症状を呈する疾患で，症状に応じて，テストステロン補充などの治療が行われる．

◆病態と診断

A病態

・視床下部-下垂体-性腺（精巣）のいずれかの障害によりテストステロンの低下をきたし，さまざまな症状を呈する．

・テストステロンの分泌状態とその作用は胎児期から成人期などライフステージにより異なるため，性腺機能低下によって生じる症状も時期によって異なる．

・思春期前の発症であれば第二次性徴の消失，思春期後なら性機能障害（勃起機能，射精機能）や男性不妊症を呈する．

・LOH症候群は性機能障害に加えて，うつ症状などの精神症状，ほてり，疲労感などの身体症状を呈する．

・視床下部-下垂体が原因となる低ゴナドトロピン性性腺機能低下症と，性腺自体に異常があるためフィードバックにより血中LH値，FSH値が高値となる高ゴナドトロピン性性腺機能低下症に分類される．いずれも先天性と後天性の異常がある．

　思春期前の小児に対しては，小陰茎を対象とし性同一性を揺るがせないことを目的として，思春期に対しては二次性徴の発現不全に対して，年齢相応に二次性徴を獲得させることを目標としてテストステロン治療を行う．小児期については少量から開始し，漸増していく．

　低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の小児，思春期に対してはゴナドトロピン補充療法を行う．テストステロン補充では精巣容量増大や精子形成は得られないが，男性化に加えて生殖能力獲得を目指す治療となる．さらに妊孕