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GL膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドライン2019年(第2版)
ニュートピックス
・2021年に保険収載となった放射線内照射療法であるペプチド受容体核医学内用療法(PRRT:peptide receptor radionuclide therapy)は,インスリノーマ,ガストリノーマといったホルモン産生性機能性神経内分泌腫瘍に対して高いホルモン症状改善効果が見込める.全国で施行可能な専門施設が増加しており,薬物治療に加えて積極的に活用できる治療選択肢となった.
治療のポイント
・機能性神経内分泌腫瘍では,腫瘍に対する治療と並行して,ホルモン過剰分泌のコントロールが重要である.
・可能であれば切除が第1選択である.
・機能性神経内分泌腫瘍は症状が前面に出る一方,サイズの小さな腫瘍であることが多いため,小さな腫瘍を見逃さないことを意識する.
・局所治療の際に一過性のホルモン過剰分泌をきたす可能性がある場合には,あらかじめオクトレオチド皮下注にて抑制することが有用である.
◆病態と診断
A病態
・膵消化管ホルモン産生性腫瘍はほとんどが高分化型の神経内分泌腫瘍である.過剰分泌するホルモンにより,それぞれホルモン過剰の症状をきたす.
・腫瘍の悪性度は増殖力(Ki67あるいは核分裂像)と分化度に左右され,WHO2019分類に応じた予後を示す.
B診断
・非典型的な症状に対してまれながらも腫瘍性疾患を疑うことが重要である.
・インスリノーマでは,自律神経症状が低血糖発作の症状として出現することがある.低血糖発作時に血糖低下(45mg/dL以下)であるのにインスリン値が抑制されていないことで診断し,確定診断は72時間絶食試験で行う.
・ガストリノーマは難治性,反復性潰瘍で疑い,下痢を伴うこともある.現在,ガストリンの測定が保険収載されるようになったが,以前と単位が異なるので注意が必要である
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