診療支援
治療

骨粗鬆症(内科)
osteoporosis
今西康雄
(大阪公立大学大学院准教授・代謝内分泌病態内科学)

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GL骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版

GL生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド 2019年版

ニュートピックス

・「骨折のリスクの高い骨粗鬆症」に対し,テリパラチド,ロモソズマブに加え,新規の骨形成促進薬であるアバロパラチドが上市された.

治療のポイント

・骨密度と脆弱性骨折の有無に基づき原発性骨粗鬆症の診断を行う.

・生活習慣病の合併や続発性骨粗鬆症の確認のみならず,骨折の既往や骨折家族歴についても聴取する.

・「骨折のリスクの高い骨粗鬆症」に対しては,まず骨形成促進薬の投与を検討する.

・ステロイド治療(,「ステロイドの副作用と対策」の項参照)やホルモン除去療法に随伴する医原性骨粗鬆症については,それぞれのガイドラインを参照する.

◆病態と診断

A病態

・骨粗鬆症では,骨密度骨質により規定される骨強度が低下し,骨折のリスクが高まる.

・原発性骨粗鬆症では,主に性ホルモン低下加齢により骨強度が低下する.

・続発性骨粗鬆症の原因としては,内分泌性,栄養性,薬物性,不動性,先天性,生活習慣病,その他がある.

・糖尿病・慢性腎臓病・慢性閉塞性肺疾患などの生活習慣病においては,骨密度低下とともに骨質劣化により骨強度低下を招く.

B診断

・「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」により,診断と薬物治療開始について判断する.

 1)脆弱性骨折(大腿骨近位部骨折または椎体骨折)がある場合

 2)脆弱性骨折(大腿骨近位部骨折および椎体骨折以外)があり骨密度が若年成人平均(YAM:young adult mean)の80%未満または-1.0SD未満

 3)脆弱性骨折がなく骨密度がYAMの70%以下または-2.5SD以下

・1)~3)のいずれかを満たせば骨粗鬆症と診断され,薬物開始基準を満たす.脆弱性骨折がなく骨密度がYAMの70%より大きく80%未満または-2.5SDより大きく-1.0S

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