診療支援
治療

膠原病および類縁疾患 最近の動向
亀田秀人
(東邦大学教授・膠原病学分野(大橋))

◆病態と診断

A単一細胞解析と網羅的解析

 単一細胞解析の普及に伴い細胞の多様性に対する理解が深まり,T細胞やB細胞のみならずマクロファージ線維芽細胞など多くの細胞がサブセットに分類された.さらには遺伝子発現(トランスクリプトーム)から蛋白質(プロテオーム),糖鎖(グライコーム),脂質(リピドーム)と網羅的解析の範囲が拡大し,単一の分子異常では説明困難な多様性に富んだ膠原病の病態・病因の探究は新たなステージを迎えている.健常人と特定の疾患患者の比較,異なる疾患患者の比較,同一疾患(さらには患者)の活動期と寛解期の比較,そして異なる病変臓器同士やそれらと末梢血との比較などにより,膠原病の病態・病因の全貌が次第に明らかになることが期待されている.このことは個別化医療の推進にも不可欠である.

B脊椎関節炎の国内疫学と類縁疾患を含めた適正診断

 脊椎関節炎は,現時点ではHLA-B27との関連が認められ体軸

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