頻度 あまりみない
治療のポイント
・細菌,真菌,結核,ノカルジアなどの菌種により,治療法が大きく変わる.基礎疾患や免疫抑制状態,手術後などにより起因菌が変化する.培養で起因菌が判明するまで,状況から推測して,広くカバーして治療を進める必要がある.
◆病態と診断
A病態
・副鼻腔炎,歯性膿瘍など隣接する感染巣からの侵入もあるが,通常は血行性に菌が脳に到達する.
・細菌性ではStreptococcus属,Bacteroides属が多く,手術後であればブドウ球菌が多い.
B診断
・突然の頭痛やてんかん発作,あるいは片麻痺,失語,半盲,小脳失調などの巣症状が時間や1日単位で悪化する場合に考える.発熱は50%以内.
・頭部MRIにおいて診断されるが,病期によって画像が大きく異なる.細菌性の場合には,早期には限局性のT2,FLAIR高信号を認め,のちに被膜が形成され,リング状の造影効果がある浮腫を伴った膿瘍がみられる