頻度 あまりみない
GL単純ヘルペス脳炎診療ガイドライン2017
治療のポイント
・本症は治療開始の遅れが転帰不良につながる神経救急(neurological emergency)疾患であり,疑われるすべての患者に対し,確定診断を待たずすみやかにアシクロビルを開始する.
・診断が確定された患者に対してはアシクロビルを最低14~21日間投与し,脳脊髄液HSV DNA陰性を2回連続して確認した時点で終了する.
・副腎皮質ステロイドの併用は確立されていないが,一定の科学的根拠もあり勧められる.
・抗ウイルス療法のほか,けいれんに対する抗発作薬の投与が必要になることがある.
◆病態と診断
A病態
・成人や一部の小児例では単純ヘルペスウイルス(HSV)の再活性化によりウイルスが神経向性に中枢神経内に侵入し,典型例では片側優位の側頭葉内側を含む大脳辺縁系に壊死病巣(時に出血変化を伴う)を形成する.
・多くは発熱や頭痛の数