頻度 ときどきみる
治療のポイント
・効果の高い治療はボツリヌス毒素療法と神経血管減圧術との2つである.
・通常はボツリヌス毒素療法を第1選択とする.
・内服薬はすべて適応外使用であり,有用性からも補助的な役割に留まる.
◆病態と診断
A病態
・顔面神経が頭蓋内で血管(通常は動脈)に圧迫されて生じる片側性の顔面筋れん縮である(狭義の片側顔面けいれん).
・典型例では片側の眼輪筋の下眼瞼部から上眼瞼部,さらに同側の顔面神経支配筋へ広がる.
・間歇性または持続性の同期性れん縮を認める.時に耳鳴を呈する.
B診断
・上記の特徴から診断する.時に腫瘍や血管奇形などが原因になるので,必ず頭部MRIなどで検索する.
・顔面麻痺や顔面神経外傷などの後遺症として生じる顔面連合運動も広義の顔面けいれんとみなす.これらは神経血管減圧術の対象とならない.
・1%内外で両側性となるが,左右は非同期であり同一疾患の左右同時罹患と考える.一方