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治療のポイント
・主訴および関連する情報を整理し,課題を抽出する.
・ストレスへの対応を優先する.
・必要に応じて地域の福祉や就労支援のサービスにつなぐ.
・本人の希望に応じて,対人スキルや日常生活スキルの学習支援を行う.
◆病態と診断
A病態
・自閉スペクトラム症(ASD)は,相互的対人関係およびコミュニケーションの質的異常と,興味の限局や活動のパターン化を特徴とする神経発達症の一種である.感覚の過敏さまたは鈍さがあると社会参加がより制限されやすい.
・知的発達の遅れを伴う場合やASDの特性が強く目立つケースは児童期に診断されやすいが,ある程度の流暢な会話が可能なケースなどでは定型発達と区別が難しく,成人期にはじめて診断されるケースが近年増加している.
・成人期には,対人関係やコミュニケーションの異常がカモフラージュされ,表面上はASDの特性がわかりにくい.また,ASD以外にストレス因関連で