頻度 あまりみない
治療のポイント
・搬送中からリザーバー付マスクでの酸素吸入(10L/分以上)を行う.
・米海軍治療表を用いた高気圧酸素治療(最大治療圧2.8気圧)が基本である.
・水分摂取が不十分な場合も少なくないので,当初から点滴による補液を念頭におく.
◆病態と診断
A病態
・減圧障害は減圧症と動脈ガス塞栓症を合わせた病名である.
・減圧障害はスクーバダイビングや潜函工事,時に飛行機や宇宙飛行士による高所移動によって引き起こされる.
・減圧症は,体内組織に環境圧と曝露時間に従って吸収・蓄積された窒素(不活性ガス)が,減圧により過飽和状態となって形成された気泡により起こる.
・深く長いスクーバダイビングほど体内に窒素は多く取り込まれるため,減圧症のリスクが高まる.
・動脈ガス塞栓症は,急浮上などによる急激な減圧で肺が過膨張し(肺過膨張症候群)肺胞破裂の結果起こる空気(呼吸ガス)塞栓症である.
B診断
・ダイビ