治療のポイント
・肩関節痛を有する野球選手は13.6%である.
・投球障害肩は不良な投球動作による力学的ストレスで発生し,多くは画像診断される.
・投球の休止,投球動作の修正により96%の症例は保存治療で治癒する.
・治療のポイントは,スマートフォンなどのスロー撮影で投球動作を撮影し,動画から投球動作を修正することである.
◆病態と診断
A病態
・投球による肩障害には上腕骨骨端損傷,上腕骨頭後上外側病変,関節唇損傷(SLAP損傷),腱板関節側部分断裂(PASTA:partial articular supraspinatus tendon avulsion),ベネット病変,肩峰下滑液包炎,肩甲上腕(GH)関節炎,内旋制限(GIRD:glenohumeral internal rotation deficit)がある.
・投球時痛のみで日常生活動作に支障のない症例がほとんどである.
B診断
・上腕骨骨端損傷とベ