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治療

変形性肩関節症・腱板断裂性肩関節症
osteoarthritis of the shoulder,cuff tear arthropathy
谷口 昇
(鹿児島大学大学院教授・整形外科学)

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ニュートピックス

・本邦での人工肩関節置換術の割合は全人工関節の2%程度であるが,リバース型人工肩関節置換術の登場により近年手術数の増加率は著しく,対象患者の年齢は下肢に比べて高い傾向にある.

◆病態と診断

A病態

・変形性肩関節症は,一次性肩関節症と,外傷や疾病に続発する二次性肩関節症に分類され,二次的変形性肩関節症の原因としては,広範囲腱板断裂に続発する腱板断裂性関節症,上腕骨頭壊死,上腕骨近位端骨折,神経病性関節症などがあげられる.

B診断

・一次性の変形性肩関節症の主な症状は,運動時の疼痛や礫音,可動域制限である.

・一方,腱板断裂性関節症では必ずしも痛みを訴えず,挙上可能な場合もあるが,腱板負荷テストを行うと筋力低下が認められる.

・画像診断では,一次性の変形性肩関節症は関節裂隙の狭小化を認め,上腕骨頭の扁平化や下垂骨棘のほか,関節窩の変形や骨棘を認めるが,腱板断裂の合併は少なく,

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