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治療のポイント
・治療には,局所安静,ストレッチ,装具,腱鞘内ステロイド注射,手術がある.
・保存加療抵抗例では手術を検討するが,腱鞘内ステロイド注射が著効するため,手術に至る症例は少ない.また,通常,注射後3か月間程度は効果が持続するため,短期間に繰り返し注射が必要になるようなことはない.
◆病態と診断
A病態
・腱鞘の肥厚や腱自体の肥厚などが原因となって,腱の滑走障害と疼痛を生じる.
・反復する機械的刺激や内分泌代謝障害が関与していると考えられているが,明確な病因は不明である.
・ばね指は中高年女性に多く,罹患指は母指,中指,環指に多い.関節リウマチ,糖尿病,透析患者に合併しやすいことが知られており,これらの疾患との合併例では,保存加療により症状がいったん寛解しても再発してしまうことが多い.
・ドケルバン病は妊娠時,産後や更年期の女性に起こることが多い.
B診断
・ばね指はA1プーリー〔MP