頻度 ときどきみる
◆病態と診断
・関節リウマチ(以下RA)では,病状の進行に伴いさまざまな手指の変形が生じる.主な原因は,関節滑膜炎により,関節支持である靭帯,関節の破綻,骨軟骨破壊,そして腱のバランスが崩れることである.
・さまざまに変形を生じ,手指の変形がいくつも合併進行する可能性がある.
◆治療方針
治療は,メトトレキサートや生物製剤といった薬物治療が第1であるが,変形した手に対するものとして,さまざまな外科的治療法が存在する.
A尺側偏位
中手骨指節(MP)関節の尺側偏位が進行して,伸筋腱が尺側脱臼し,関節の掌側脱臼も出現.初期で関節変形が少なく,MP関節の破壊や脱臼が軽度な症例は,滑膜切除,伸筋腱の縫縮など軟部再建を行う.進行している症例では,年齢を考慮しながら,人工関節置換術を検討する(図).
Bボタン穴変形
近位指節間(PIP)関節背側に滑膜炎が生じることで,背側関節包,中央索や側副靭