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GL大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン2021 改訂第3版
治療のポイント
・手術がほぼ第1選択である.
・早期診断手術,内科疾患管理が大切である.
・入院中から退院後の地域連携を考慮し準備する.
・要件付きで75歳以上の本患者の48時間以内手術が算定できる.「二次性骨折予防継続管理料1-3」は本患者に対する骨粗鬆症の診断治療に適用される.クリニックでの適用には手術病院での管理料1の算定が要件となる.
◆病態と診断
A疾患概念
・大腿骨近位部骨折:股の付け根(骨頭から転子部まで)の骨折である.
・関節包内の骨折を内側骨折,包外を外側骨折という.内側骨折の代表が頸部骨折であり,外側骨折の代表が転子部骨折である.
B疫学病態
・頻度が高く高齢者には致命的な骨折である.骨脆弱性に基づく高齢者の平面転倒受傷が多い.
・年間約20万例発生し,男女比は1:3である.術後歩行安定に1~3か月を要する.
・ADLの低下,生命予後の悪化が起こる.1年以内死亡率は,骨接合10%より人工物(人工骨頭など)30%が高い.
C診断
・疼痛,歩行困難である.
・高齢者の場合,問診は確実性に欠けるため画像診断で補う必要がある.単純X線で確定診断できないときはMRが有用である.
◆治療方針
全例手術適応がある(図).全身状態が著しく悪い例に疼痛緩和目的の手術を行う場合もある.手術が必須ではない.
A治療法の選択
1.内側骨折の手術
1)非転位型:骨接合(螺子など)が第1選択である.保存療法は選択肢である.
2)転位型の高齢者:人工骨頭が第1選択である.
3)転位型の若年者:緊急に骨接合を試みる価値はあるが,偽関節や骨頭壊死発生率を考慮する(図).
2.内側骨折の後療法
適切に固定できた場合,非転位型の骨接合で満3週から全荷重,人工骨頭は翌日から全荷重を目標にできる.
3.外側骨折の手術
転子部骨折(AO分類A1およびA2)の骨接合は,