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治療のポイント
・疼痛部位と受傷機転を詳細に聴取することで,ある程度損傷部位と程度を推察できる.
・足関節・足部は軟部組織が薄く血流の乏しい部位であり,腫脹の程度によって初期治療方針が変わる可能性がある.
・骨が露出した開放骨折や足関節脱臼骨折,腫脹が著しい転位の大きい骨折では,確定的手術の前に,軟部組織の腫脹軽減目的に一時的創外固定骨折治療術を要することがある.
足関節・足部の骨折すべてを網羅することは紙面の都合上できないため,ここでは代表的な足関節果部骨折,ピロン骨折,踵骨骨折の3つの骨折について記載する.
Ⅰ.足関節果部骨折
◆病態と診断
A病態
・足関節を捻った結果生じる骨折型である.
・捻り方により骨折する部位や靭帯損傷の部位が変わるが,特に足関節を回内強制された受傷機転の場合は,腓骨近位部骨折や脛骨腓骨間膜の損傷が生じる可能性がある.
B診断
・視診上明らかな変形や腫脹がある場合は,