頻度 情報なし
治療のポイント
・捻挫後,急性期を過ぎても症状が残っている場合,本疾患を疑う.
・漫然とした薬物療法ではなく,装具療法,足関節周囲筋力強化で不安定感の改善を試みる.
・保存療法が無効な例は,足の外科専門医に紹介する.
◆病態と診断
A病態
・慢性足関節不安定症は,捻挫後の後遺症の一種である.
・主な原因は,捻挫時に損傷した足関節外側の靭帯(前距腓靭帯・踵腓靭帯)の弛緩により,足関節の制動が低下することによる.
・変形性足関節症の原因となるとされている.
B診断
・明確な診断基準はない.
・捻挫受傷後,数か月経過しても遷延する“主観的不安定感”と外側を中心とした足関節痛が特徴である.
・繰り返す捻挫や足関節giving way(捻挫しそうになる足関節のぐらつきがあるが,捻挫まで至らない現象)が“主観的不安定感”の代表的症状である.直近半年間に2回以上の足関節giving wayを経験していることが診断