診療支援
治療

慢性足関節不安定症
chronic ankle instability
武田龍太郎
(東京大学医学部附属病院・整形外科・脊椎外科)

頻度 情報なし

治療のポイント

・捻挫後,急性期を過ぎても症状が残っている場合,本疾患を疑う.

・漫然とした薬物療法ではなく,装具療法,足関節周囲筋力強化で不安定感の改善を試みる.

・保存療法が無効な例は,足の外科専門医に紹介する.

◆病態と診断

A病態

・慢性足関節不安定症は,捻挫後の後遺症の一種である.

・主な原因は,捻挫時に損傷した足関節外側の靭帯(前距腓靭帯・踵腓靭帯)の弛緩により,足関節の制動が低下することによる.

・変形性足関節症の原因となるとされている.

B診断

・明確な診断基準はない.

・捻挫受傷後,数か月経過しても遷延する“主観的不安定感”と外側を中心とした足関節痛が特徴である.

繰り返す捻挫足関節giving way(捻挫しそうになる足関節のぐらつきがあるが,捻挫まで至らない現象)が“主観的不安定感”の代表的症状である.直近半年間に2回以上の足関節giving wayを経験していることが診断

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