診療支援
治療

尿管カテーテル法,腎瘻造設術
ureteral catheterization,nephrostomy
土谷順彦
(山形大学教授・腎泌尿器外科学)

GLJJE尿管ステントマニュアル(2017年版)

治療のポイント

・尿管カテーテル法と腎瘻造設術は,上部尿路(腎盂~尿管)の閉塞に対するドレナージ法である.

・緊急を要する病態は,①上部尿路閉塞を伴う尿路感染症による敗血症またはそれに移行する可能性がある場合,②上部尿路閉塞による腎後性急性腎不全の2つである.その他,疼痛緩和や腎機能温存などの目的で行われる.

◆治療方針

 侵襲性を考慮して最初に尿管ステントカテーテル法を試みることが多い.骨盤内悪性腫瘍の進展などカテーテルが閉塞しやすい病態や,膀胱への進展が高度な場合など尿管ステントカテーテルの留置が困難な場合には腎瘻が選択される.

A尿管ステントカテーテル法

 本法は粘膜麻酔下に外来で施行可能な処置であり,カテーテル管理が不要なことから患者のQOLが維持される.通常,透視下に膀胱鏡を用いて尿管口から逆行性に留置する.両端がコイル状の6~7Fのポリウレタン製ダブルピッグテイル型カテーテルを用いることが多い.留置期間は最長でも3か月で,閉塞が認められた場合には早期の交換が必要となる.長期留置ではカテーテル周囲への結石形成により抜去困難となることがある.悪性腫瘍の圧排による尿管閉塞に対しては,12か月程度の長期開存が見込まれる金属ステントも用いられる.

B腎瘻造設術

 本法は経皮的に腎盂内にカテーテルを留置する方法で,出血のリスクを伴う侵襲的処置のため入院を要することが多い.通常は腹臥位で穿刺部位の皮下に浸潤麻酔を行い,超音波ガイド下に拡張した腎盂に向けて針を穿刺する.透視下,ガイドワイヤーガイド下に経路を拡張し,16~20F程度の腎盂バルーンカテーテルを留置する.一時的に10F程度のピッグテイルカテーテルを留置し,後日拡張後に腎盂バルーンカテーテルに交換することもある.外来で2~4週間ごとの交換が必要である.腎瘻はカテーテル管理が必要な点で尿管

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