ＧＬ泌尿器腹腔鏡手術ガイドライン2020年版

ＧＬ泌尿器科領域におけるロボット支援手術を行うに当たってのガイドライン（2023年7月10日改定）

ニュートピックス

・2022年の保険承認の拡大に伴い，既存の前立腺全摘術，腎部分切除術，膀胱全摘術，腎盂形成術，仙骨腟固定術に加え，腎悪性腫瘍手術（根治的腎摘除術，腎尿管摘除術），尿管悪性腫瘍手術（腎尿管摘除術）および副腎腫瘍に対する副腎摘除術にロボット支援手術が施行可能となった．

・既存のdaVinci Si，Xi，Xおよび国産手術支援ロボット「hinotori」に加え，新規の手術支援ロボットdaVinci SPおよびHugo手術支援ロボットが2022年10月に本邦で薬事承認され，多様な手術支援ロボットが使用可能となっている．

治療のポイント

・開腹手術および腹腔鏡手術と比較した優越性に関する科学的根拠は確立していないが，ロボット支援手術の周術期成績や機能温存，入院期間の短縮やQOLに関する優位性が多数報告され，また，腹腔鏡手術では困難であった高難度症例に対するロボット支援手術の適応拡大が見込まれることから，今後さらにロボット支援手術の症例の増加が予想される．

◆病態と診断

A病態

・泌尿器科領域の腹腔鏡下・ロボット支援手術では，前立腺癌，腎細胞癌，腎盂尿管癌，膀胱癌，副腎腫瘍（原発性アルドステロン症，クッシング症候群，褐色細胞腫など），腎盂尿管移行部通過障害による水腎症，骨盤臓器脱に関しては腹腔鏡手術ならびにロボット支援手術が適応（保険適用）であり，尿膜管遺残，生体腎移植におけるドナー腎採取，精索静脈瘤に対しては腹腔鏡手術が適応（保険適用）となっている．

B診断

・各々の疾患の病態に応じた適切な画像，生理・生化学検査を行い，耐術能も考慮した術前評価により手術適応の決定と適切な手術法の選択を行う．

◆治療方針

　尿路生殖器癌に対する腹腔鏡手術あるいはロボ