診療支援
治療

膀胱・尿道結石
bladder stone and urethral stone
安井孝周
(名古屋市立大学大学院教授・腎・泌尿器科学)

頻度 ときどきみる

GL尿路結石症診療ガイドライン2013年版

治療のポイント

・膀胱結石は内視鏡手術(経尿道的砕石術)が第1選択となる.

・尿道結石は,膀胱内に結石を戻して砕石術を行う.

・下部尿路通過障害(排尿障害など),尿路感染が発症リスクとなるため基礎疾患の治療が必要である.

◆病態と診断

A病態

・膀胱結石・尿道結石はそれぞれ,膀胱・尿道に結石が存在する状態を指し,合わせて,下部尿路結石とよぶ.

・上部尿路結石が下降して膀胱・尿道に到達した結石と,膀胱で形成された結石がある.

・下部尿路結石は尿路結石の約5%で,男女比は4.5:1と男性に多い.

・男性ではシュウ酸カルシウム結石が,女性では感染結石(リン酸マグネシウムアンモニウム)が多い.

・難治性尿路感染症の原因となる.

B成因

・膀胱での結石形成:残尿をきたす排尿障害・尿排出障害,尿路感染,尿道カテーテル留置が原因となる.

・腎での結石形成:上部尿路結石が下降して膀胱に到達し,排出されないために生じる(詳細は,「腎・尿管結石」の項参照).

C診断

・無症状のことも多いが,血尿排尿痛,下腹部違和感,排尿困難,尿線途絶などの症状をきたす.

腹部エコー,腎尿管膀胱部単純X線撮影(KUB:kidney ureter bladder),CT,膀胱鏡などで診断する.

・感染結石はX線透過性が高く,KUBでは淡い陰影となる.

・CTでは,尿酸結石,感染結石などX線透過性の高い結石も診断でき,結石成分の推定が可能である.

◆治療方針

A手術

1)経尿道的砕石術:膀胱内視鏡下で,レーザー,圧縮空気,超音波による砕石機器で結石を破砕し,除去する.

2)切石術(開放手術):巨大な結石などに行う.

3)男性の後部尿道結石は,ブジー,内視鏡で結石を膀胱内に戻し,膀胱砕石術を行う.前部尿道結石は鉗子で外尿道口から摘出できることがある.

B再発予防

1)排尿障害・尿排出障害が原因となる場

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?