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ニュートピックス
・フローサイトメトリー法(FCM)を用いた尿中有形成分分析装置による尿中細菌形態情報などで,尿路感染症(UTI)症例の抗菌薬選択の目安になる可能性が示唆された.
治療のポイント
・急性単純性膀胱炎は,閉経前と閉経後で選択される抗菌薬に違いがある.複雑性膀胱炎では,尿路や全身の基礎疾患の正確な把握と適切な尿路管理が必要であり,抗菌薬治療はむしろ補助的となる.
◆病態と診断
A病態
・原因は直腸常在菌による上行性尿路感染であり,臨床症状は頻尿,排尿痛,尿混濁,残尿感,膀胱部不快感などであり,通常,発熱は伴わない.
・単純性膀胱炎:下部尿路に限定され,通常,基礎疾患や解剖学的・生理学的異常のない患者に生じる.一般的に使用されている抗菌薬に感受性のある病原体によって引き起こされることが多い.
・複雑性膀胱炎:上部尿路感染症の併発,複数の薬剤耐性尿路病原体,または特別な配慮を要する患