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GL男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン(2017)
ニュートピックス
前立腺肥大症に対する手術療法の1つとして,2022年9月から水蒸気治療が保険収載された.
◆病態と診断
A病態
・前立腺肥大症は,加齢によりテストステロン,エストロゲンホルモンの比率が変化していくことで,腺細胞,間質細胞が増殖していくことにより発症する.
・ストレス,炎症,抗コリン薬,抗ヒスタミン薬などの薬剤により症状の悪化を認める.
B診断
・一般内科医が泌尿器科関連ガイドラインに沿って病歴聴取,尿検査,尿流量検査,残尿量測定,血清PSA測定,前立腺超音波検査,症例により排尿日誌の記録などすべてを実施するのは困難と思われるため,主要下部尿路症状質問票(図)を使用し,ある程度のパターンに沿った治療を提案する.この質問票の特徴は,①「男性下部尿路症状診療ガイドライン」で取り扱われているが女性にも利用ができること,②簡便であること,③多岐にわたる排尿障害をとらえるのに適していること,④患者の困っている症状(主要症状)がわかることなどである.
1)尿路閉塞パターン:質問票(図)において,困る症状として2・6・8が選択されている場合.
2)過活動膀胱の併存パターン:質問票(図)において,困る症状として3・4・6が選択されている場合.
3)大きな前立腺腺腫による前立腺肥大症パターン:質問票(図)において,困る症状として7・8・10が選択されている場合.
◆治療方針
A尿路閉塞パターン
まずホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬,α1 遮断薬の投与が望ましい.
Px処方例 初診時には下記のいずれかを用いる.