診療支援
治療

性分化疾患
disorders/differences of sex development(DSD)
白石晃司
(山口大学大学院教授・泌尿器科学)

頻度 ときどきみる(Klinefelter症候群,Turner症候群)

頻度 あまりみない(その他のDSD)

ニュートピックス

・性分化疾患はDSD(disorders of sex development)と表記されていたが,患者側の立場から,DSD(disorders/differences of sex development)と表記されるようになった.

治療のポイント

・染色体,性腺,内性器,外性器および精神・社会的などの,どのレベルでの異常であるかの把握が,病態の理解と治療方針決定において重要である.

・男児の場合は精巣固定術や外性器形成術などが施行され,女児の場合は性腺摘除術に外陰部形成術やホルモン補充が行われる.

・生殖・性機能および心理的ケアも含めた長期フォローアップを,移行期医療として実践する必要がある.

◆病態と診断

A病態

・DSDの分類として,大きく以下の3つのカテゴリーに分類される.

1.性染色体異常に伴うDSD

1)45,Xなど(Turner症候群など)

2)47,XXYなど(Klinefelter症候群など)

3)45,X/46,XYなど(混合性性腺異形成など)

4)46,XX/46,XYなど(キメラ,卵精巣性DSDなど)

2.46,XY DSD

1)性腺分化異常(索状性腺,SF1異常症,精巣退縮症候群,卵精巣性DSDなど)

2)アンドロゲンまたは抗Müller管ホルモンの合成障害・作用異常(各種アンドロゲン合成酵素欠損症,5α還元酵素欠損症,StAR異常症,アンドロゲン不応症,LH受容体異常症,抗Müller管ホルモンおよびその受容体異常症など)

3)その他(総排泄腔異常など)

3.46,XX DSD

1)卵巣分化異常(卵精巣性DSD,卵巣発生異常など)

2)アンドロゲン過剰(21α水酸化酵素欠損症,11β水酸化酵素欠損症,アロマターゼ欠損症,母体からの薬剤性など)

3)その他(総排泄腔

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