診療支援
治療

血精液症
hematospermia
木下秀文
(関西医科大学主任教授・腎泌尿器外科学)

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治療のポイント

・健康若年者では,ほとんどの場合,無治療経過観察でよい.

・原因疾患があれば治療する.

◆病態と診断

A病態

・精液に血液が混入する病態である.精巣,精巣上体,精嚢,前立腺のいずれかの部位で出血すると血精液となる.

ほとんどが特発性で数週から2か月程度で自然治癒するが,まれに難治性のものもあり,また原因疾患が隠れていることもある.

・原因疾患としては前立腺炎を主体とする尿路性器感染症が多く,まれに凝固系異常を伴う血液疾患,尿路性器奇形や悪性腫瘍の鑑別が必要となる.

・前立腺生検や前立腺手術などによる医原性の血精液症もあるが,これらは予測できる病態である.

B診断

自覚症状(血精液)による.

・血精液の持続期間,射精や排尿に関連する随伴症状や,陰嚢部・会陰部の違和感や疼痛,外傷を含めた尿路性器に関する既往歴を聴取する.

・陰部の視診,触診と尿検査は原則として全員に行う.既往歴や

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