治療のポイント
・腎移植後は免疫抑制薬の内服が必須であり,拒絶反応を抑制すると同時に,感染症や悪性腫瘍など,過度の免疫抑制に伴う副作用に留意する.
◆病態と診断
A免疫抑制薬
・多剤併用療法が基本で,カルシニューリン阻害薬(CNI:calcineurin inhibitor),代謝拮抗薬,ステロイドの3剤併用療法が多いが,各施設で使用薬剤は異なる.
・CNIは効果判定や副作用の管理のため,薬物血中濃度モニタリング(TDM)により適切な投与量を決定する.「免疫抑制薬TDM標準化ガイドライン[臓器移植編]2018」も参照する.
B拒絶反応
・急性拒絶反応は移植後3か月で,慢性拒絶反応は移植後3~6か月以降でそれぞれリスクが高い.
・移植腎生検により診断される.
C感染症
・一部の細菌(抗酸菌など),ウイルス(単純ヘルペスウイルス,水痘帯状疱疹ウイルス,サイトメガロウイルス,EBウイルス,BKウイルス,肝炎ウイルス