治療のポイント
・尿道カテーテル長期留置は,尿路感染,膀胱機能廃絶,萎縮膀胱などを招くため可能な限り避けるべきである.しかし機能障害の回復が見込めない場合や,特に認知症の患者で治療や介護に支障がある場合,尿と便の分離によるオムツ内の感染・褥瘡などの予防,介護負担の軽減など,総合的にメリットが大きいと判断される際は考慮される.
A感染
カテーテル長期留置は慢性膿尿が必発だが,流出が保たれていれば重症感染リスクは低い.
重症尿路感染を疑う場合,他の熱源検索と同時に,流出状態や腹満所見,膀胱エコーなどでカテーテル閉塞や尿流出停滞の有無を確認する.
B結石
感染と異物反応により膀胱内やカテーテル表面に結石が発生し,カテーテル閉塞の原因となる.
結石予防にクエン酸内服が効果を発することがある.
Px処方例
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム(ウラリット薬)配合錠 1回1~2錠 1日3回保外