診療支援
治療

紫外線療法
phototherapy and photochemotherapy
国定 充
(兵庫県立はりま姫路総合医療センター・皮膚科診療科長)

GL乾癬の光線療法ガイドライン(2016)

治療のポイント

・現在保険適用になっている紫外線治療対象疾患は,尋常性乾癬,尋常性白斑,掌蹠膿疱症,アトピー性皮膚炎,円形脱毛症,類乾癬,菌状息肉症,悪性リンパ腫,慢性苔癬状粃糠疹である.

・紫外線治療では現在,ナローバンドUVB(中波長紫外線UVB:311nmピーク),あるいはエキシマレーザー/ライト光源のターゲット型(UVB小範囲用:308nmピーク),そして外用PUVA(メトキサレン外用後 ultraviolet A照射),PUVAバス(後述),内服PUVA(ソラレン内服後 ultraviolet A照射)治療が主体となっている.

・紫外線の適量は個人差があり,UVB波長を出す機器についてはあらかじめ最小紅斑量(MED:minimal erythema dose)を測定しておき,初回からは少量からMED量~最適量になるように徐々に照射量を上げながら治療を進める.

◆治療方針

 本項では尋常性乾癬および尋常性白斑の治療方針に対して解説する.

 尋常性乾癬は紅斑,浸潤,落屑という皮疹の程度と面積をいかに軽減できるか,尋常性白斑は治療経過中にみられる脱色素斑の再色素沈着および病変部の面積縮小を治療達成目標にする.紫外線治療は患者によって感受性が違い,治療によって紅斑や水疱ができないように照射線量を漸増する.UVB照射の場合は治療開始前にMEDを測定し,その50~70%程度の量を初回に照射して,週1~2回,紅斑などが生じないことを確認しながら20%程度ずつ線量を上げていく.

AUVB照射

1.尋常性乾癬

 全身照射型ナローバンドUVB器を使用し,MED700ミリジュール/cm2 の患者に週2回照射をする場合.

 初回:300ミリジュール/cm2,2回目:350ミリジュール/cm2,以降50ミリジュール/cm2 程度ずつ増やし,700ミリジュール/cm2

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