診療支援
治療

皮膚結核,非結核性抗酸菌症,ハンセン病
cutaneous tuberculosis/non-tuberculous mycobacterial infections/leprosy
谷崎英昭
(関西医科大学教授・皮膚科学)

Ⅰ.皮膚結核

治療のポイント

・通常の肺結核に準じて抗結核薬を投与する.耐性菌の出現を防ぐため,感受性のある薬剤を3~4剤併用する.初期の強化療法と維持療法を確実に行うことが重要である.

◆病態と診断

A病態

・結核菌〔MycobacteriumM.tuberculosis〕またはその菌体成分に対するアレルギー反応(結核疹)によって生じる皮膚病変である.内臓病変からの血行性散布や皮膚への直接接種で生じる.結核疹では通常病変部に結核菌は認めない.

B診断

・連続性のある皮下結節や膿瘍の形成,炎症所見に乏しい下腿の暗紅斑・硬結などから本疾患が鑑別にあがる.病巣からの結核菌の証明(塗抹染色分離培養PCR検査)が確定診断につながる.

・病理組織では,乾酪壊死を伴う肉芽腫性病変,ラングハンス(Langhans)巨細胞などが特徴的である.クォンティフェロン検査も診断の一助となる.

◆治療方針

 結核疹を含めて中長

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?